7回のマウンドのお勤めを終えた伊藤君は、あることに気がついた。
「今、2対3で負けてる。僕が7回。ロサが8回。相手の岸をウチの打線が打てる気配がない。ていうことは9回…
てぇいへんだーーー!
デェイエットーー
「てぇいへんだー」と「デイエット」はなんとなく語感が似ている。デイエット?昔日ハムで8番打ってた外人。
伊藤君は叫びながら走りまわる。22世紀から来た(ホントか?)ロボットの名前を叫びながら。
「マツエモ〜ン。マツエモ〜ン。近頃見かけないけど、どこにいるんだ〜い!」
ロッカールームの隅々から、風呂、もちろん押入れも開けて確認する。
「いないよ・・・マツエモン、僕を置いてどこに行っちゃったんだよ。このままだと9回表をジャイアンよりおっかない人が投げることになっちゃうんだよ。あの人はブログの文章上では「西村のドアホ、ブッ殺す!」とか口先だけのように書かれているけど、近くに僕がいるときは、僕を羽交い絞めにして頭を連打しながら「西村のドアホ、こんにゃろ!」って八つ当たりする、とんでもない人なんだよ!!(※)」
※チームスタッフ手嶌が編集したため、WEB上に残っていない兄さんのプロフィール参照
「だから基本役立たずのジャマクセー選手会長だけど、オツとキシだけは大好物の君に今すぐ出てきてもらいたいんだよー!このままだとビハインドのまま兄さんがマウンドに登るという最悪の事態を招くんだよー!マツエモ〜ン、僕のためにキシからホームランを打ってよー!」
泣き叫びながらスタジアム内を走りまわった伊藤君。しかし明けない夜は…間違えた、明けない7回裏はない。ていうか、ウチのクソ打線の場合、すぐに終了してるし!結局見つからず・・・マツエモン、あぁ、いずこ。
ていうか、伊藤君、マツエモンがホームラン打っても1点しか入らないよ?1点だと同点だから、あの男のセーブはつなかないから同じじゃね?
「走者が1人出て、マツエモンがホームランを打てば…」
ムリッしょ、今のウチの打線で今日の上り調子のキシから出塁できる奴なんて、誰もいないぞ!
「ニシムランツ先生!僕に8回を任せて下さい!」
「伊藤、大丈夫か」
「ハイ!行かせて下さい!」
「伊藤、おまえって奴は…」
ニシムンツ先生は得意の涙目になりながら、伊藤君をマウンドに送った。
(助かった、これで今日の兄さんの登板を防げる!)
かくして伊藤君は、自ら進んで回マタギに入っていったのだ!大丈夫か、伊藤君?ヘタに打線が追いつくと10回を同点で兄さんが投げるハメになるぞ!?
「それだけは勘弁!」
その頃、問題のその男は、結構心穏やかに休んでいた。
データルームに置いてあるパソコンで、相手選手のデータなど見ずに、ヤフーのスポーツ欄で他球場の経過など眺めている・・・ 「今日は過保護王子の登板日だから、キュウの野郎が投げてるはずなんだが・・・過保護王子、1年目のクセにいっつも5回で降りやがる。アイツがマリーンズに入ってたら、俺は毎回「回マタギ」させられてたな。でもって「カワイイ後輩のためなら、回マタギもいといません」なんて、オレらしくもないこと言わせられちゃったり!で、マスコミに「王子を守る回マタギのナイト(騎士)とか書かれちゃって、王子目当ての女性ファンに「薮田さんってシブくて素敵!」なんて言われちゃったり!!」 (何、ひとり妄想芝居してるんですか、兄さん!)
「おっ!日ハム、4-0で勝ってる!ナイス4点差!これならキュウの野郎もどうすることも出来ねぇー!!」
伊藤君が心配することもなく、すこぶるご機嫌な兄さんであった・・・。兄さん、今日の準備は?
「アホか?今日のキシをウチのクソ打線が打てるはずねぇだろ。どうせ伊藤が回マタギ志願するんじゃねぇの?普段、俺がそういう風に教育しているから」
兄さんの読み、ズバリ。さすがですわ…。
昨年の主役2人と、今年の主役のミックスネタ始めました。
伊藤くん、すきだなー。
やっぱり、ピッチャーによってできるだけ休みたい体とできるだけ投げたい体があるみたいですね。
休み明けの伊藤くんは馬並に投げてみなくちゃわからない(笑)
来年のオールスターは監督推薦で投げてもらいましょ。
書き込みありがとうございます。
4年間馬車馬のように投げて、それなりの結果出しているのに球宴に呼ばれませんね、そういえば。
でもその時期は休んもらいたいと思ったりして(笑)